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死ぬかと思った話!盆に川でナニモノかに足を引っ張られ・・・

死ぬかと思った話

ぼくが幼少期、たしか小学3年生だった。

 

任天堂ゲームウォッチなどが流行りだした年だが、その日は夏で天気が良かったため、みんなで川に行くことにした。

 

任天堂ゲームウォッチ

Wikipediaより引用

 

クラスの同級生と数人で、学校の近くの「古川」という川に遊びに行った。

 

40年近く昔、まだその頃は「川は危険だから遊んではいけない」などと言われることはなかったため、山川で存分に走りまくって遊んでいた。

 

古川は、広島で三角州をつくっている大きな「太田川」の支流で、流れも穏やかで深い所も少なく、子供の遊び場にはちょうどよかった。

 

釣りキチ三平」が流行っていて、魚を釣ることより、どれだけ遠くに重りを飛ばすかに夢中になっていた。

 

その川には「ハヤ」をよく見かけたが、釣るのは相当難しかった。

 

なので、川につかり、岸辺の穴の中からザリガニを引きずりだしたりして遊んでいた。

 

川

フリーフォト足成より引用

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ちょうど8月の盆に入ったころ。

 

誰かが「出るでー、盆はヤバいのが出るでー」とかいっていたように思うが、誰も気にしていなかった。

 

さんさんと降り注ぐ陽射しの中、あらかじめ着込んでいた水着になって川に飛び込むヤツもいれば、浅瀬でザリガニ取りに夢中になっているヤツもいた。

 

ぼくは水着と水中メガネになり、ちょっと深めのところで泳いだり休んだりしていた。

 

急に雲行きが怪しくなった

 

雨雲

フリーフォト足成より引用


空は黒くなり、川も薄黒い色に変わってきた。

 

見るものすべてが、黒に近い灰色に変わっていった。

川で死ぬかと思った

その時、横目になにかさっと動くものが見えたが、水中メガネのせいではっきりと見えなかった。

 

直後、左足をつかまれたような気がした。

 

左足をつかんで、もの凄く強い力で水中に引きずり込もうとする。

 

足をつかまれて水中に

フリー素材ぱくたそより引用

 

盆の川でナニモノかに足を引っ張られている。

 

焦って踏ん張った。

 

が、今度は右足をつかまれた。

 

右足をとられたその瞬間、両足を強い力で引っ張られ、身体ごと水中に引きずりこまれた。

 

ちょうど息を吐いた直後だったので、息を吸った。

 

が、もう遅し、そこは水中だった。

 

新鮮な空気の代わりにたっぷりと水を吸い込み、ゴクリと飲み込む。

 

さらに水をゴグゴグゴグと飲みこむ。

 

ナニモノかに川で足を引っ張られ、水をいっぱいに飲み込む、苦しい。

 

ナニモノかに川で足を引っ張られ、ぼくは溺れ死ぬのか。

 

短い9年間が走馬灯のように走った気がした。

 

夏休みの盆に、ひとり川で溺れ死ぬのか。

 

助けてくれ!

 

なぜか股間に激痛が走った。

 

こんな死に方は嫌だ。

 

股間の激痛はやまない。

 

さらに水をゴクゴク飲み込む。

 

苦しい!

 

助けてくれ!!

 


ふっと、足をつかむ力が緩んだ。

 

股間の激痛もなくなった。

 

足がつく深さだったので、なんとか立った。

 

ゲホッ ゲホッ オエッ

 

飲み込んだ大量の水が胃から逆流してきた。

 

オエッ オエッ

 

胃の中の水は食道を通り口の中へ逆流する。

 

胃からあふれてきた水を全部口から吐いた。

 

死んでしまうかと思った。

 


どや、水中電気アンマーは!?

 

いつの間にか同級生がそばに立っており、得意満面な顔で言った。

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犯人現る

効くやろ、水中電気アンマー!ウハハ!

 

電気アンマーの少年

フリー素材いらすとやより引用

 

な。

 

な、コイツの仕業か!

 

水の中で電気アンマーを仕掛けやがったのか!

※電気アンマー:相手の両足を持ち、股間に足を差し入れてブルブルブルと局所を攻撃する、男子悶絶の必殺技

 

こっちは水中電気アンマーでマジで溺れたのだ。

 

はんぱなく溺れたのだ。

 

もうすぐ死にかけたのだ。

 

苦しさのあまり、もう怒る気力も失せていた。

 

ゲホッ ゲホッ

 

まだ気管の水を吐き出しながら、ぼくはほうほうの体で岸辺に逃げていったのであった。

 

もう本当に、死ぬかと思った。

 

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死ぬかと思った話(1)「盆に川でナニモノかに足を引っ張られ」

 ―(了)―

 

水中電気アンマーはホンマに危険なのでやめましょう。

 

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