かわいそう!ミスドの店舗でドーナツ選びで悩む男の話
目次
フリー素材ぱくたそより引用
ミスドの店舗でドーナツを選ぶ
近所のスーパー「広島ゆめタウン」へ、買い物に出かけた。
買い物が終わると、嫁さんが「ドーナツが買いたい」と言うので、そこのフードコートへ向かった。
嫁さんは、ミスドへ小走りで去っていった。
出典:narafamilyサイトより引用
「そんなの買うから太るんだ」とは思ったが、それは言わないでおいた。
ぼくはドーナツにはあまり興味がないので、フードコートの空いている椅子を見つけて、買い物袋持ち係の買い物袋をおろし座った。
嫁さんは「娘のため」と口では言いながら実は自分のために、嬉々としてドーナツを選んでいた。
皆さんご存知の通り、ミスドはたいてい縦4段・幅約5メートルぐらいの棚にこんがり揚がった小麦色やチョコレート色のドーナツを並べてあり、自分で好きなドーナツをトレイに取り、レジへ持って行ってお勘定をする。
ミスド「買い物工程」の最終プロセスである「レジ」は、ドーナツ棚の左側にある。
よって、ここのミスドでは人は右から左へと進んでいくことになる。
嫁さんはいくつかのドーナツをトレイに取ったが、そこから左へ進めなくなった。
ドーナツ棚のほぼ中央に、おじさんが停まって、ドーナツを選んでいたからだ。
上の棚を見ては、下の棚を見、手元のトレイを見ては真ん中の棚を見る。
出典:Let's Enjoy Tokyoサイトより引用
1分ほど待っても、男は上の棚を真剣に見つめている。
2分過ぎても、僕と変わらない50歳くらいの男は、手元のトレイを見つめている。
ドーナツの買い物が進まない
嫁さんは、そこで詰まったまま、左へ進めずに居る。
・・・・・・おじさん、何やってるんだ、ドーナツごときに。
ぼくは無駄に待たされるのにいらだち、席を立ち、嫁さんの側へ歩み寄った。
わざとその男に聞こえるように、しかし嫁さんへ向けて大声で言った。
「なにをドーナツごときで迷いよるんや!」
嫁さんは、僕の意図を理解したらしく、ニヤニヤしながら男を抜かして左に進み、また嬉々としてドーナツを選び始めた。
僕はその男が気になり、観察をはじめた。
黒いジャンパーの下に、サッカーJ1のサンフレッチェ広島のムラサキ色のユニフォームを着ていた。
そういえば、今日(先日ね)がサンフレッチェ広島の地元開幕戦だった。
似合わないトートバッグから、バケット(フランスパン)が頭をのぞかせている。
よくみると、メモ帳を手に握っていた。
そのメモ帳にじっと視線を落とし、手元のトレイのチョコレート色やピンク色のドーナツを見つめ、それから上段の棚、真ん中の棚、そしてまたメモ帳に視線を落とす。
・・・・・・奥さんに頼まれたのか。ドーナツの名前がわからないんだな。
男は、レジでお金を払っている嫁さんの後ろに並んだ。
が、すぐに引き返し、また真剣にドーナツ棚とトレイのドーナツとメモ帳を見比べる。
またレジに来るが、悲痛な顔でドーナツ棚へ引き返す。
またレジに来るが、悩みながらドーナツ棚へ引き返す。
家族連れや、女学生たちで賑わっているフードコートで、悲痛な顔でドーナツの棚を何往復もする男の姿はある種異様、あるいは滑稽だった。
ああ・・・・・・わかった!
突然、僕は彼のすべてを理解した。
かわいそう!ミスドの店舗でドーナツ選びを悩む男
つまり、こういう事だ。
彼は大のサッカー、サンフレッチェ広島のファンだった。
(以下、ぼくの想像)
男「あのぅ・・・・・・」
奥さん「なんや?」
男「今日な、あのな・・・・・・」
奥さん「なんね。はっきり言いんさい!」
男「今日、サンフレッチェ広島地元の、開幕戦があるんや・・・・・・」
奥さん「はぁ? テレビつければ?」
サンフレッチェ広島公式サイトより引用
男「いや・・・・・・あのぅ・・・・・・チケットを、買ってしまったんや」
奥さん「ハァ? 何やと! そんな無駄金使うんなら、小遣い減らすでアンタ!」
男「いや・・・・・・その・・・・・・開幕イベントとかあって、どうしても行きたかったんや」
奥さん「ハァ? バッカじゃないの。いい年こいて。何がサッカーね」
男「はぃ・・・・・・」
奥さん 「ほんならアンタ、エエわ。そのかわし、今日の晩飯、作って。フランスパンに生ハムやらゴーダチーズのサンドウィッチ、それでエエわ。それとロゼかシャンパン。全部、アンタ持ちで」
男「はぅ・・・・・・」
奥さん 「ついでにミスド行って、ドーナツ買ってきてや。フレンチクルーラーとエンゼルショコラと黒ゴマハニーとストロベリーチュロとヘーゼルナッツチョコとチョコファッションとポン・デ・ショコラや」
男「ちょ、ちょっとまって」
男は、メモを取り出す。
奥さん「ハァ、そんなのも覚えられんのかいな。もう一度言うで。絶対間違えるなよ!間違えたら家に入れんでッ!離婚や!慰謝料たんまりふんだくったるさかいな。よう聞き!フレンチクルーラーとエンゼルショコラと黒ゴマハニーとストロベリーチュロとヘーゼルナッツチョコとチョコファッションとポン・デ・ショコラや!わかったら早よ出て行き!」
と・・・・・・いうことだったのだろう。
だから悲痛な面持ちでドーナツを選んでいたのだろう。
・・・・・・すまなかった。そんな事情も知らず、大声出して。
まとめ
ミスドとスタバは、男性陣にはどれがいいのかさっぱり分からない。
ミスドとスタバの買い物は女性にまかせるべき。
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