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うつ病とアルコール依存症ですが、人間です。

うつ病、アルコール依存症とは? 精神病院に入院治療、症状が治らず家庭崩壊寸前です。 しかし頑張れば人間、なんとかなるものです・・・かな?

精神科再入院(24)…ヘッドフォン少年

 

 

 

(つづき)


ある日、黒いヘッドフォンをつけた少年が、テレビの前に座っていた。

 

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著作権 Bluetooth ManiaXサイト

 

8月、ちょうどオリンピックの時期だったので、テレビはロンドン・オリンピックが流れていた。

 

少年は、ヘッドフォンをつけて、ソファーに座ってずっとテレビを見続けていた。

 

 

まず、疑問に思ったのは、テレビを観ているのにヘッドフォンをして、いったい何を聞いているのだろう、ということだった。

 

僕は恐るおそる後ろに近づき、ヘッドフォンを穴のあくほど観察してみたのだが、コードのようなモノは繋がっていなかった

 

少年はただ、ヘッドフォンをしている。

 

ヘッドフォン単体で何か音楽を聞けるようなモノかと思い、さらに穴があくほど観察してみたのだが、音が漏れるようでもなく、少年がリズムに乗っているようでもなく、少年はテレビに写っている50メートル平泳ぎ競技などに夢中になっているようだった。

 

はて、あのヘッドフォンはいったい何ぞや?


周りをみわたしてみても、目が合う患者たちは首をかしげるばかりである。

 

わが病棟は「見たい番組がある人は、テレビのチャンネルを自由に変えてもよい」という暗黙の了承があったため、少年がオリンピックを観ても誰も文句を言う人はいなかった。

 

ただ、北島康介選手など日本人選手が活躍している競技ならともかく、日本人はいっさい出ず、ただベネズエラキューバニュージーランドの水着を着た水泳選手たちがひたすら泳ぐそれをずっと見ているのには、やはり大衆の不満がつのっていった。


誰かがリモコンでチャンネルを替え、リモコンは隠された。

 

少年はバカかと思っていただ、バカではなかったらしく、リモコンが無いとわかると、テレビ本体下側のボタンを直接操作してチャンネルを元にもどした。

 

何回かそのやりとりが繰り返されたあげく、大衆の不満は看護師へと伝えられた。

 

少年はその日のうちに隔離病棟のほうに連れ去られた。

 

そして「合わない」という判断が下されたのだろう。

 

それ以来、少年を見なくなった。

 

 

 

これが、精神科病棟だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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