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うつ病とアルコール依存症ですが、人間です。

うつ病、アルコール依存症とは? 精神病院に入院治療、症状が治らず家庭崩壊寸前です。 しかし頑張れば人間、なんとかなるものです・・・かな?

精神科再入院(12)…負の連鎖

 

 

 

(つづき)

気がつけば、朝だった。


朝といっても、夜明け前だろう。

鉄格子の向こうの黒い曇りガラスが、ほんの少しだけ青くなり始めていた。

 

意識が戻ると、まだ禁断症状を感じた。

身体、手足の振るえ、脂汗などがまだ治まらない。

が、それは昨日よりは軽くなったと思った。

 

しかし心の症状は、いっこうに治まっていなかった。

僕は今、暗い隔離病室に、ひとりベッドに横たわっている。

誰もいない。

話かける相手がいない。

つらさを打ち明ける相手も、いない。

恐怖感だけを感じる。


僕はなぜ、こんなところにいるのだろう。

いったいどこで、何を間違ったのだろう。

ここで何をしようとしているのだろう。


ただ、ここで生存している。

それに何の意味があるのだろう。

社会から隔離され、キチ○イどもと共に生存している。


何の意味があるだろう。

僕がここにいることに意味があるのだろうか。

僕がいても、いなくても、誰も気に留めないじゃないか。

いっそ、死んでしまったほうが楽なんじゃないか。

生きてたって、何もない。

死んだって、何もない。

ならいっそのこと、死ねばいいのに。

そのほうが家族は苦しみから解き放たれるだろう。

死んでしまえ……

 

しかし、愛娘ふたり残して父親がいなくなることは、親としてどうなのだろうか。

ダメだ。それはよくない。

しかし、生きるのもいやだ。

死にたい。

いやダメだ。

死にたい、ダメだ、死ね、ダメだ、死ね、ダメ、おまえなんか死ね死ねダメ死ねダメ死ね死ね死ねクソが死ね死んでしまえ死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねクソのようなおまえなど死んでしまえ。


掛け布団の布を切り裂けば、首にかけるヒモはいくらでもできる。

ドアにはヒモをかける取っ手がある。

見まわりは誰もこない。

1時間もあれば死体が出来上がる。

 

 

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著作権 自殺方法大百科 人はなぜ自殺するのかサイトより

 


僕の思考回路は、次々と負の考えを生み出し、その考えはまた次の負を生み出し、さらに悪い考えを生み出しつづける。

負の連鎖が始まった。

それは留まることを知らず、僕は深々と落ちていった。

暗闇の底でぐるぐると考え続けた。

自分では脱出できない、泥沼にはまっていった。


やめろ。

どうかしている。よく考えろ。

そうだ東北の人たちのことを考えろ考えろ考えろ思い出せ思い出せ。

震災から生き残った親、子ども、生存者のことを考えろ。

2度と帰ってくることのない我が子、お父さんお母さん、クラスメイトたちの遺影を前に頭を下げている。


思い出せ考えろ考えろ。


おこがましい、と思った。


僕のことだ。


彼ら震災の犠牲者たちは、決して死にたかったわけではない。

生きていた。

これからも生きるつもりだった。

それなのに彼らは、一番大事な、愛する我が子、両親を一瞬にして奪い去られた

そしてそれは、二度と、帰ってこない。


僕を見ろ。

どうだ、ちゃんと生きているじゃないか。

まわりはだれも死んでないじゃないか。

そして僕は、あさはかにも自ら死ぬことを考えている。

死にたくもないのに、死んでしまった人たち。

失いたくないのに、一番大事なモノを失った人たち。

そして生きているのに、自ら死ぬことを考えている僕。


おこがましい。


僕はなんとおこがましい事を考えているのだ。


死ぬ必要もないのに、自ら死を選択する。


それは、愛する人を亡くした、悲しみに暮れる東北の人たちを侮辱している、なんと失礼なことだろう。

僕にそんな権利は、ない。


死ぬことを考えることはやめろやめろきっぱり止めろ。

そんなことを考えるべきではない考えるな考えるな生きることだけそれだけを考えろ考えろ考えろ。


すでに廊下の曇りガラスは明るく、黄色い光をはなっていた。

 

 

 

 

 

 

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